この記事では、編み物作品にスチームアイロンをかける基本の手順や注意点、便利アイテムなどをご紹介します。
「編み物の仕上げには、スチームアイロンがいいって聞いたけど…」
そう思いながらも、実際のかけ方や注意点がよくわからなくて手を出せていないという方、多いのではないでしょうか?
せっかく時間をかけて編んだ作品も、最後の仕上げ次第で見栄えや完成度がぐっと変わります。
とくにスチームアイロンは、編み目を整えてふんわり仕上げるために欠かせないアイテム。でも、
「直接当てていいの?」「毛糸が縮んだらどうしよう…」と不安もありますよね。
そこで、編み物の作品にスチームアイロンをかける手順や注意点を解説します。便利アイテムなどもご紹介しますので、参考にしてみてください。
なぜ編み物にスチームアイロンをかけるの?
できあがった編み物作品に、毛糸のゆがみや編み目の凹凸、浮き上がった端っこ…。
こんな状態を整えるためには、「スチームアイロンでの仕上げ」が大切になってきます。
スチームアイロンをかけることで、見た目はもちろん、着心地や使い心地にも大きな差が出ます。
ここではまず、その効果と、やる際に気をつけたい基本ポイントを紹介します。
スチームアイロンの効果と仕上がりが変わる理由
編み物にスチームを当てると、毛糸の繊維がほぐれ、編み目が整います。
例えば、ウールの場合、編み目の隙間が縮んでぴったりと引き締まり、全体的にしっかりした印象に変わります。一方、アクリルの場合は、編み目がふんわりと柔らかく広がり、軽やかな仕上がりになります。素材に合わせてスチームをかけることで、作品が一層美しく、均一な仕上がりになります。
効果としては:
- 編み目が整い、作品がプロっぽく見える
- 縮んでいた部分が広がって、サイズが安定する
- アイロンで軽く形を整えれば、ブロッキング(形出し)にもつながる
- ふわっとやわらかくなって、着心地がアップする
スチームをかけるだけで、驚くほど作品の印象がランクアップすることも。
スチームをかけるときに気をつけたいこと
とはいえ、やみくもにスチームを当てれば良いというわけではありません。
実はスチームアイロンの「かけ方次第」で、仕上がりに差が出るだけでなく、毛糸を傷めてしまうリスクも。
特に注意したいのは以下のポイントです↓。
- 直接アイロンを押し当てないこと
→ スチームアイロンの熱を直接当ててしまうと、毛糸が圧縮され、編み目が潰れてペタっとした仕上がりになります。必ずアイロンを「浮かせて」、スチームだけをふんわり当てるようにしましょう。これにより、編み目がしっかり保たれ、素材が傷むのを防ぎます。 - あて布を使うこと
スチームアイロンの直接的な熱から毛糸を守るために、あて布を使うのがポイントです。あて布(綿やガーゼなど)は、スチームの熱を均等に拡散させることで、毛糸が高温にさらされ過ぎないようにします。また、アイロンが毛糸に直接触れないため、編み目が潰れたり、毛糸が傷んだりするのを防ぐことができます。あて布を使用することで、アイロンによるダメージを軽減し、仕上がりがきれいになります。 - スチーム量と距離の調整
スチームをかける際、蒸気を出しすぎると、編み物が湿りすぎてしまい、乾かすのに時間がかかります。スチーム量は控えめにして、アイロンを編み物から約5cm~10cmほど浮かせて使用するのが理想的です。蒸気がふんわりと広がり、毛糸がしっとりと湿る程度で十分です。これにより、必要以上に湿気が残ることなく、編み目もきれいに整います。 - 素材によって温度設定を変えること
スチームアイロンの温度設定は、使用する素材に合わせて調整することが重要です。例えば、ウールの場合は中温でスチームをふんわりと当て、編み目がきれいに整うようにします。アクリルは比較的低温で、過熱すると縮んでしまうことがあるので注意が必要です。コットンや麻などの自然素材は、少し高めの温度(高温)でスチームをかけても問題ありませんが、蒸気の量は控えめにしましょう。それぞれの素材に適した温度と蒸気量を選ぶことで、毛糸が傷まず、美しい仕上がりになります。
このような基本ルールを守れば、安心して仕上げ作業に取り組めますし、作品をより長くきれいに保つことができます。
編み物作品にスチームアイロンをかける基本の手順
「スチームアイロンが大事なのはわかった。でも実際どうやってかければいいの?」
そんな声にお応えして、ここからは初心者さんでも安心して実践できるステップを順を追ってご紹介します。
1. 用意するもの(アイロン・あて布・平らな台など)
スチームアイロンを安全かつ効果的に使うには、事前の準備がとても大切。
用意するものはこちらです。
- スチーム機能付きアイロン
→ 蒸気の量を調整できるものがベスト。コンパクトサイズだと扱いやすいです。 - あて布(綿やガーゼ素材)
→ 編み目の保護に必須。スチームの熱をやさしく通しつつ、毛糸を守ってくれます。 - アイロン台やタオルを敷いた平らなテーブル
→ 作業中にズレない&熱を通しすぎない安全な台を選びましょう。 - 霧吹き(乾きすぎ防止用に)
→ 乾燥しやすい部屋で作業する場合にあると便利です。
2. 編み物を平らに整える下準備
いきなりスチームを当てるのではなく、まずは作品を平らな状態に整えることが重要です。
ポイントは以下の通りです。
- 形が歪んでいたら、軽く手で引っ張って整える
- 模様や模様編みの方向をしっかりそろえる
- 編み終わりの糸端は、スチーム後に仕上げると落ち着きます
※「ピン打ち(ブロッキング)」を行う場合は、スチーム前に配置しておくと◎。
この段階で丁寧に整えておくことで、スチーム後の形もよりキレイに決まります。
ブロッキンに関しては、下記の記事も参考にしてみてください。
>>> 編み物のブロッキングボード代用品を紹介!100均アイテムなど身近なもので簡単に自作する方法
ピン打ちに便利なピンです↓

3. スチームアイロンの正しいかけ方
いよいよスチームを当てていきます。
直接当てない・押しつけないが鉄則です。
手順は以下の通りです↓
- アイロンの温度を中〜低に設定(素材に合わせて温度調整)
→ ウールやアクリルの場合は中温、コットンや麻の素材は低温で設定しましょう。高温に設定すると、毛糸が縮んだり、変色する恐れがあります。素材に合わせた温度設定が重要です。 - アイロンを浮かせたまま、蒸気だけをふんわり当てる
- あて布をのせ、軽く手でなでるように蒸気を通す
- 必要に応じて、全体を均等に当てていく
注意点としては:
- 編み目を押しつぶさないこと
- 蒸気を当てすぎないこと(湿りすぎの原因になります)
- アイロンは動かさず、上下に軽くスチームをあてるイメージで
「ふわっ」と蒸気が全体にいきわたればOKです。
4. 自然乾燥で形を整えるコツ
スチームを当てた後は、作品がほんのり湿った状態になっています。
このときに焦ってたたんだり、吊るしたりすると、せっかくの形が崩れてしまうことも…。
そこで大事なのが、自然乾燥&放置の時間です。
- スチーム後は、そのまま平らな場所に置いて乾かす
- 風通しの良い日陰がおすすめ(直射日光はNG)
- 完全に乾くまで形をキープするのが理想
乾いたあとに、もう一度全体の形を軽く手直しすれば、しっかり整った仕上がりになります。
ここまで丁寧にできたら、完成度はぐんとアップ!あなたの作品が、見違えるはずです。
手芸用アイロンと便利アイテム
「どんなアイロンを選べばいいのかわからない…」
そんな方のために、アイロンをいくつかご紹介します。
手芸用のミニアイロンをチェックしてみたい方は下記の記事も参考にしてみてください。
>>> 手芸用ミニアイロン!コードレスの特徴や商品を紹介!ユザワヤやピエリア、クローバーなど
「ピエリア ミニスチームアイロン DMS-2103」
「ピエリア ミニスチームアイロン DMS-2103」は、軽量でコンパクトなサイズのアイロンを探している方におすすめです。小さいけれどちゃんとスチーム機能がついています。
約350gと軽くて持ちやすいです↓

「Kocokara ハンディーアイロン&スチーマー」
衣類をハンガーにかけたままでアイロンがかけられる便利なハンディーアイロン。スチーマーとしても普通のアイロンがけにも使うことができます。コードが3mと長く、使いやすいです。↓

まとめ
この記事では、編み物作品を仕上げる際に欠かせないスチームアイロンの基本的な使い方と、注意すべきポイントを紹介しました。
スチームアイロンをうまく活用して、編み物作品をより素敵に仕上げる参考にしてみてください。