この記事では、刺繍糸を切る長さの基本的な考え方から、作業をスムーズにする目安の長さなどを紹介します。
刺繍をしていると、「刺繍糸って、どれくらいの長さで切ればいいの?」と迷うことってありませんか?
長くしすぎると絡まったり、短すぎると何度も糸を替えることになって面倒だったり…。
実は、刺繍糸の“ちょうどいい長さ”って、ちょっとした工夫とポイントを知っているだけで、ぐっと扱いやすくなります。
「正解はひとつじゃないけれど、自分に合った長さがわかってきたかも」と思ってもらえるような内容を目指しました。
参考になれば嬉しいです。
ご興味のある方は下記の記事もどうぞ↓
👉 『刺繍糸を使い始めるときの引き抜き方!絡まない刺繍糸の取り方を解説』
刺繍用の糸通しです↓
刺繍糸の長さは何で決まる?知っておきたい基本の考え方
刺繍糸の長さを決めるときに考えるべきポイントはいくつかあります。
具体的には、下記のような要素が組み合わさって、最適な長さが変わってきます。
何本取りで刺繍するか
刺繍糸は通常6本に分かれていて、そこから何本使うかによって厚みや消費量が変わります。
たとえば「1本取り」と「3本取り」では、同じ長さでも消費ペースがかなり違ってきます。
ステッチの種類やデザインの密度
広範囲を一気に刺すデザインなのか、細かく色を変えるデザインなのかでも、糸の使いやすさが違ってきます。
糸を頻繁に交換するようなデザインであれば、短めにしておいたほうが効率がよくなることも。
ループメソッドを使うかどうか
糸の先を輪にして始める「ループメソッド」は、糸を倍の長さで用意して半分に折る方法。
この方法を使うなら、最初に切る長さはその分“長め”にする必要があります。
糸の滑りをよくする糸ワックスです↓
実際のところ、一般的な目安はどれくらい?
「じゃあ実際に、どれくらいで切るのが一般的なの?」
そう思われた方も多いですよね。多くの刺繍愛好家が参考にしているのが、およそ40〜50cmという長さです。
これくらいの長さだと、
- 長すぎず、糸がよれたり絡まったりしにくい
- 短すぎず、何度も糸を替える手間が省ける
というちょうどいいバランスをとりやすくなります。
ただし、これはあくまで目安。
例えば「ループメソッドを使いたいから80cmで切って半分に折る」といった工夫をする人もいます。
また、手が小さい方や作業中に腕が疲れやすい方は、少し短めに調整するとストレスが軽減されることも。
大切なのは「自分にとって快適な長さ」を少しずつ見つけていくことです。
下記で、長すぎる/短すぎるとどうなるのか、具体的に説明します。
使いやすい刺繍糸の長さを見つけるポイント
刺繍糸の長さは、ほんの数センチ違うだけでも作業のしやすさが変わってきます。
ここでは、「長すぎるとどうなる?」「短すぎると不便?」といった視点から、自分にぴったりな糸の長さを見つけるヒントをご紹介します。
刺繍用のスタンド枠↓
長すぎるとどうなる?もつれ・よれ・疲れのリスク
刺繍糸をたっぷり長めに切ると、一度に広い範囲を刺せるので効率的な気がしますよね。
でも、長すぎる糸は扱いにくさの原因になりやすいです。
刺繍糸が長すぎると↓こんなことが起こりやすいです。
- 刺している途中で糸がよれたり、ねじれたりしやすくなる
- 途中でもつれてしまい、解くのに時間がかかる
- 糸が布に通る距離が増えるため、摩擦で毛羽立ちやすくなる
- 腕の動きが大きくなり、疲れやすくなる
まだ刺繍をはじめたばかりという方や、布に厚みのある刺繍をしている方は、長すぎる糸は扱いづらく感じるかもしれません。
「少し長めに切ったけれど、途中でもつれてイライラしてしまった…」という経験がある方は、
一度、目安よりも少し短めにしてみてはいかがでしょうか。
刺繍糸糸がねじれたり、絡まったりすることについては下記の記事↓で解説しています。
👉 『刺繍糸がねじれる、絡まる、よれるのを防ぐ方法と対策!便利アイテムも紹介』
短すぎても不便?作業効率とのバランスを考えよう
逆に、糸を短く切りすぎるとどうなるかというと、こちらもやはり作業効率に影響が出ます。
- すぐに糸がなくなってしまい、何度も糸を替える手間が発生
- 針に糸を通す回数が増えて、細かい作業が多くなりがち
- 一部だけ刺して終わりたい時には良いけれど、まとまった範囲を刺すのには不向き
特に、糸替えや針通しが面倒に感じる方にとっては、「短すぎ」は非効率のもとになりやすいです。
結局、「まずは40〜50cm前後で試してみて、自分にとって扱いやすい長さを探していく」のがベストではないでしょうか。
慣れてきたら、「このデザインのときは長め」「この布には短め」など、刺繍スタイルに合わせて調整できるようになります。
刺繍用の水に溶けるシートです↓

切る長さを失敗しないコツ
まずは「約50cm」を基準にしてみる【目安あり】
迷ったときにまずおすすめしたいのが、約50cm前後の長さです。
これは多くの刺繍愛好家や本などでも紹介されている「定番の基準」のようなもので、次のようなメリットがあります。
- よれやすさ、絡まりやすさを最小限に抑えられる
- 途中で疲れにくく、作業に集中しやすい
- 糸がちょうど使いきれるくらいで無駄になりにくい
「50cmの長さ=腕1本分くらい」をひとつの目安にしてみると感覚がつかみやすいです。実際に測らなくても、腕を伸ばして肘から手先くらいまでの長さでカットすればOKです。
慣れてきたら、刺繍のスタイルや好みに合わせて微調整していくのがベスト。
「細かい柄で色替えが多いから、40cmくらいがちょうどいい」など、少しずつ自分なりの基準ができてきます。
線が細いまま引ける、水で消えるチャコペンです↓
ループメソッドを使うなら長さに注意!
ループメソッドは糸の先を輪にしてスタートすることで、糸の始末がきれい&簡単になるテクニックです。
この方法を使う場合は、通常の倍の長さの糸をカットする必要があります。
糸を半分に折ってから針に通すので、実際に刺す長さはカットした長さの「半分」になります。
実際に刺すときの長さを50cmにしたい場合は、100cmの糸をカットする必要があります。
また、もつれが気になる方は、ループメソッドと相性の良い糸の扱い方を一緒に見直すのもおすすめです。
👉 刺繍糸を絡ませたくない人はこちらの記事もチェックしてみてください。
→ 『刺繍糸がねじれる、絡まる、よれるのを防ぐ方法と対策!便利アイテムも紹介』
まとめ
刺繍糸を切る長さに「これが正解!」という一つの答えはありませんが。ですが、いくつかの目安やポイントを知っておくことで、作業がぐっと楽になります。
まずは一般的な基準である約50cm前後を目安に試してみて、糸の扱いやすさや疲れにくさを感じながら、自分なりのベストな長さを見つけていくのがおすすめです。特に、ループメソッドを使う場合は切る長さが倍になることがチェックポイントです。
今回の記事を参考にしながら、「自分にとって一番心地いい長さ」を探してみてください。
刺繍関連の記事はこちらです↓
👉 『刺繍糸がねじれる、絡まる、よれるのを防ぐ方法と対策!便利アイテムも紹介』
👉 『刺繍糸を使い始めるときの引き抜き方!絡まない刺繍糸の取り方を解説』
👉『 刺繍糸がうまく針に通らない!スムーズに通すための7つのコツと便利なグッズ3つ』