この記事では、Tシャツを手作りしたい人向けに、ニット生地の「素材」と「編み方」の違いをわかりやすく紹介します。あわせて、「どんな服やパーツによく使われているか」「通気性や縫いやすさはどうか」なども解説します。
手芸店やネットショップで「Tシャツ用の生地を探そう!」と思っても、出てくる言葉は「天竺」「フライス」「綿100%」「ポリエステル混」など、パッと見て違いイメージがわからない用語ばかり。私と同じように「何を選べばいいの…?」と手が止まってしまう方のためにこの記事を書きました。
一言でTシャツ用の生地といっても、素材によっては縮みやすかったり、縫いにくかったり。私自身がはじめてTシャツを縫おうと思ったとき、生地選びでずいぶん時間を使いました。
これからTシャツづくりに挑戦したい方、生地をネットで買いたいけれど迷っている方の参考になればうれしいです。

Tシャツ用のニット生地、どれを選べばいいの?
「素材」と「編み方」の違い
Tシャツを手作りするなら、まず押さえておきたいのが「素材」と「編み方」です。
この2つの組み合わせで、生地の風合いや伸び具合、着心地、さらには縫いやすさまで変わってきます。
「素材」は、主に使われている繊維のこと。たとえば綿(コットン)やポリエステルなどがあります。天然素材なのか合成繊維なのかによって、通気性や吸水性、肌触りが変わってきます。
「編み方」は、その繊維をどういう形で編んで生地にしているか、という部分。天竺やフライス、スムースなど聞き慣れない名前が多いですが、それぞれ伸縮性や厚み、縫いやすさに特徴があります。
素材の違いでどう変わる?綿・ポリ・混紡の特徴
Tシャツづくりでまず迷うのが「素材選び」。生地の質感や着心地、縫いやすさに直結するので、目的に合わせて選ぶことが大切です。
ここではよく使われる3つの素材、綿・ポリエステル・混紡(ミックス)の特徴を紹介します。
素材 | 特徴(メリット) | 注意点 | 向いている用途 |
---|---|---|---|
綿(コットン) | 肌ざわりがやさしい/吸水性が高い | 縮みやすい/シワになりやすい | 肌着、子ども服、部屋着など |
ポリエステル | 速乾性/シワになりにくい/軽い | 静電気が起きやすい/蒸れやすい | スポーツTシャツ、外出用 |
混紡(例:綿×ポリ) | 両方のいいとこ取り/型くずれしにくい | 素材によって仕上がりの風合いが違う | 万能型、初心者にもおすすめ |

綿(コットン)生地の特徴と向いている用途
綿素材の魅力は、なんといっても肌ざわりの良さ。通気性がよく、吸水性も高いので、夏場のTシャツや肌着にぴったりです。ナチュラルな風合いがあり、家庭用ミシンでも縫いやすいのがうれしいポイント。
ただし、水通しをしておかないと洗濯後に縮んだり、シワになりやすかったりする点は注意。洗濯後の取り扱いや、お手入れのしやすさも考えて選びましょう。
ポリエステル生地の特徴と向いている用途
ポリエステルは化学繊維で、乾きやすく、シワにもなりにくいのが大きな特徴。最近は「ドライTシャツ」として販売されているスポーツウェアの多くがポリエステルです。
一方で、静電気が起きやすく、吸水性が低い点はデメリットかもしれません。また、伸縮性が少ない素材もあるため、型紙との相性や縫い方にはやや注意が必要です。
混紡(混合素材)はバランス型?選ぶときのポイント
「綿70%、ポリエステル30%」といった混紡素材は、それぞれの良さをバランスよく持ち合わせた便利な選択肢。たとえば、肌ざわりは綿に近く、型くずれしにくい、というような使い勝手のよさが魅力です。
ただし、混紡比率によって生地の風合いや伸び方が変わるため、購入前に「どの割合がいいか」や「何に向いているか」をチェックしておきましょう。

編み方でどう変わる?代表的なニット生地4選
ニット生地は「素材」だけでなく、「編み方」でも大きく性質が変わります。同じ綿でも、天竺とスムースでは風合いも伸び方もまったく違います。
ここでは、Tシャツ作りでよく使われる代表的な編み方を4つ、特徴とともに紹介します。
編み方 | 特徴 | 向いている用途 | 縫いやすさ | 通気性 |
---|---|---|---|---|
天竺 | 薄手・さらっと・巻きやすい | 一般的なTシャツ | △(端が丸まる) | ◎ |
フライス | よく伸びる・リブ向き | 袖口や襟ぐり | ○ | ○ |
スムース | 厚みあり・なめらか・両面編み | ベビー服、肌着 | ◎ | △ |
鹿の子 | 凹凸あり・しっかり・さらっとした肌触り | ポロシャツ、夏用トップス | ○ | ◎ |
天竺(てんじく)ニット:Tシャツといえばコレ
「Tシャツといえばこの生地」といわれるほど、天竺ニットは定番中の定番。薄手で通気性がよく、さらっとした着心地が魅力です。
ただし、カットすると端が丸まりやすく、縫うときに少しコツが必要。アイロンや伸び止めテープを使って整えながら縫うと、仕上がりがきれいになります。真夏用の軽やかなTシャツを作りたい方におすすめです。

フライス:よく伸びて、フィット感も◎
フライスニットは「横方向の伸び」がとてもよく、フィット感のある仕上がりが得意な生地です。
主にTシャツの袖口や襟ぐりなど、リブパーツに使われることが多く、伸縮性が必要な部分にぴったり。
生地端が丸まりにくく、扱いやすい点も初心者さんにうれしいポイントです。
スムースニット:肌触り重視派におすすめ
なめらかでやさしい肌ざわりが特徴のスムースニット。両面編みで、程よい厚みがあり、透けにくいのも魅力。
縫いやすく、形が安定しやすいので、「天竺だとちょっと縫いにくい…」という方にも向いています。
乳幼児の肌着やパジャマなどにもよく使われていて、やさしい風合いを求める人にぴったりです。
鹿の子(かのこ):ポロシャツ生地って?
表面にぽこぽことした凹凸があり、通気性にすぐれた鹿の子編み。
スポーティーな印象があり、ポロシャツや夏用トップスによく使われています。
見た目が上品でしっかり感もあるため、ちょっと外出用のTシャツを作りたいときにもおすすめ。初心者でも縫いやすい方ですが、生地によっては厚みがあるので、家庭用ミシンのパワーを見ながら調整が必要です。

生地選びのヒント:使いたいTシャツのイメージから探す
Tシャツの生地選び、実は「作りたいTシャツのイメージ」から逆算して選ぶと、失敗が少なくなります。
たとえば、「やわらかい肌触りのTシャツが欲しい」「暑い夏でも快適に過ごせるTシャツを作りたい」といったイメージを持っているなら、その目的に合った生地を選びましょう。
- やわらかい肌触り重視:スムースや天竺がおすすめ
- 汗をかいても快適に:綿やポリエステル素材が◎
- しっかりめで長持ち:鹿の子やフライスが安心
こういったイメージに合わせて素材と編み方を決めると、満足のいく仕上がりになります。自分が求める「着心地」や「用途」を明確にしてから、生地選びを始めてみてください。

ネットで買うときのチェックポイント&おすすめ商品
買う前にチェックしたい「生地の厚み」と「伸び」
オンラインで生地を購入する際に、実物を手に取ることができないため、「生地の厚み」や「伸び」などをどう確認するかが重要です。
商品説明やレビューには、これらの情報がしっかり記載されていることが多いので、必ずチェックしてみましょう。
- 生地の厚み → 目安として、春・夏用のTシャツは薄手の生地、秋・冬用は少し厚手の生地を選ぶと良いです。商品説明で「生地厚」「重さ」などが書かれていることもあります。
- 伸び具合 → 伸縮性が必要な部分(袖口や襟ぐりなど)は、リブやフライス素材を選ぶと失敗が少ないです。レビューに「よく伸びる」などのコメントがあると安心です。
これらの情報をしっかり確認して、自分の作りたいTシャツにぴったりの生地を選びましょう。

Amazon・楽天で買えるニット生地
Tシャツ作りにぴったりなニット生地は、Amazonや楽天で手軽に購入できます。私の感想ですが、生地にかんしては楽天市場のほうが種類が多めです。
一部ですが、楽天市場で見つけた生地ショップです↓
まとめ
Tシャツを手作りするとき、「ニット生地」と一口に言っても、素材や編み方によって特徴が大きく異なることが分かりました。綿は肌ざわりがよくて縫いやすい一方、ポリエステルは速乾性やシワになりにくさが魅力。混紡素材はそれぞれの良いとこ取りで、用途に合わせた使い分けができます。
また、天竺・フライス・スムース・鹿の子といった「編み方」によっても、着心地や見た目、縫いやすさに違いがあります。作りたいTシャツのイメージに合わせて、最適な生地を選ぶ参考にしてみてください。